目の覚めるようなコバルトブルーの色彩が、ガラスの空間に浮かび上がる。
会社の顔であるエントランスの受付デスクと、その脇を固める壁の一面には、透明のガラスがあてがわれ、そこはどこか異空間の空気を漂わせている。
ガラスの空間は廊下にまで続き、天井と床に組み込まれた間接照明とガラスの反射とが相まって、空間全体をシャープに模る。
「不動産業界をもっと透明で中立、公正なものにしたい」という強い想いを、井上社長はこのエントランスに込めた。開放的で清らかなイメージの白をベースに、コーポレートカラーであるクールな青をアクセントとして使用した。この二色に加え、透明性を象徴するガラスを多用する事により、あくまでも先進的な雰囲気を醸し出す事にこだわったのだ。
通称「ネクストブルー」と呼ばれる青色と、通称「ホームズオレンジ」と呼ばれるオレンジとが、ガラスの空間に見事に調和していました。天井と床から放たれるライティングが、エントランスの魅力を一層引き立てていました。
―この部屋に入る際、指紋による入退室認証システムを見た時には、とてもびっくりしました。
社長
弊社は、Japanプライバシー・プログラムのライセンシーであるTRUSTe(トラストイー)と情報セキュリティマネジメントシステムの認証であるISMSを取得しています。指紋認証は出入り口だけでなく、社員が個々人のパソコンにアクセスする際にも必要となっていて、その利用時間や操作内容の全てが記録されているのです。
―それはすごいですね!
社長
この他にも、社内には色々なセキュリティ体制が完備されています。例えば、社内の棚は社員個々人のものも含め、全て施錠するようになっています。その鍵は専用のキーボックスのカード認証システムにより管理されているのですが、人によって利用できる個数が異なり、全使用履歴が印字されるようになっています。いわゆる鍵の鍵ですね。
また、社内ではコピー用紙の再利用も禁止しています。使用後の紙資料は全て社内に設けられた溶解ボックスもしくはシュレッダーにかけられます。溶解ボックスに関してはボックスごと工場で溶かされるシステムになっているんですよ。実際に弊社の社員が工場まで行って、きちんと溶解されていることを確認してきたので完璧です(笑)!
―そうなんですか。ここまで徹底している会社というのは、今まで聞いた事がありません!
社長
ちょっと異常なくらいですよね(笑)。例えば外の廊下にある喫煙室はお客様用と社員用の二部屋に分けています。両者を同じ場所にしてしまうと、社員同士で喫煙中に仕事の話を始めた場合、外部に社内の情報が漏れてしまう可能性が高まるからです。来客という観点で言うならば、他にもカードストラップの色分けを行っています。弊社の社員は社員証が入った青色のストラップを首から下げています。それに対して、一般のお客様はオレンジ、執務室へ足を踏み入れる場合のお客様には、赤のストラップが渡されます。社内にいる人間は、その3色のうち何らかのストラップを下げていますので、一目見ただけでその人がどのような人なのかが判別できるようになっているのです。
―なるほど。でも、どうしてそこまで徹底していらっしゃるのでしょうか。
社長
我々は、たくさんのお客様やオーナーさんの情報を取り扱っています。情報漏洩は、会社の存続にも関わり兼ねない非常に重要なものです。全ての人々に自分達のサービスを信頼、安心してもらうためには、会社は手間やお金を惜しんではいけないのです。
社内には、他にもまだ色々な仕掛けがあるのですが、「わが社では、ここまでやっています」という事実を伝えてしまうと、それ自体がセキュリティレベルを低下させる事になってしまうのです。だから、弊社のサーバールームがどこにあってどのようなセキュリティ体制になっているかという事を細かく説明しすぎると、そこがセキュリティーホールになる可能性が出てくるのですよ。苦労したので本当は色々とお話したいのですけれどね……(笑)。今回の取材写真撮影でも、色々と制限が厳しくてすみません。
いえいえ、とんでもございません。お話をお伺いして、この徹底した管理体制には納得でした!