CM制作で評価の高いノースショアらしく、映像編集スタジオのレンタルサービスも行っている。外光が入らない暗い編集スタジオが多い中、2つのスタジオはどちらも窓があり、爽やかで明るい空間が印象的。南国のホテルライクなデザインで、ブラウンを基調とした内装のエグゼクティブスイート、ホワイトを基調に2面の大きな窓が特徴のジュニアスイートは、映像編集にクライアント試写にと利用されている。BIG、MIDDLE、SMALLと3種類のミーティングスペースも用意され、最大20名まで対応可能だ。同社の編集クリエイターのサポートも有料で受けられるという。
【取材スタッフの一言】
映像編集というと、地下の暗い部屋というイメージがあったので、明るさに驚きました。ハワイで買ってきたという流木のオブジェがあったり、椰子の葉がテーブルにあったりで、ここにも南国のイメージが色濃く出ています。
田中
サイトを見ると、売上げがすごい勢いで増えています。
社長
そうですね、銀行の方がいらしても「これ本当ですか?」と疑うぐらい(笑)。しかしそれも、今までどんな仕事を頼まれても、たとえば僕らが経験したことのないジャンルや規模やクオリティだったとしても、「できます、やります」で任せていただいて、それから実際どうやったら最良の結果にできるかという方法を探して、クリエイターを集めてご満足のいく成果物をつくるというサイクルを繰り返してきたからだと思います。
最初は映像制作だけだったのが、私たちの仕事の仕方や成果物を評価してくださって、グラフィックの仕事も出すのでやってくださいと言われてグラフィックチームができました。そうしたらウェブも一緒にお願いしますと言われて、ウェブチームができ、自分たちの戦略というより、クライアントの方々の要望にお応えしていった結果、今があるという感じです。常に新しいことの挑戦でしたが、ひとつひとつの仕事に対して未知の部分があっても、できないと考えるのではなく、どうやったらできるかという方法を探して見つかるまで考え尽くして乗り越えられたから今があるというのが実感ですね。
田中
通常ウェブ系は専門に特化している印象がありますが。
社長
そうですね、総合的にウェブまで制作できる会社さんは少ないと思います。ウェブやデジタル系の仕事は、プログラムが間違っていると「正しい表示がされない」というゼロかイチの世界なので、頑張ればなんとかなる、が通用しにくい世界です。だから何度も社内のスタッフが足りないのにそういう受注は止めたほうがいいと言われ、クライアントにも絶対やらないほうがいいと何回も止められそうになったのですが、その仕事を避けてはより会社が大きくなれないと思い、「いや絶対やらせてください」と1カ月に渡って電話とメールをしてなんとか受注した仕事が、大成功したのはとても嬉しかったですね。
田中
どうやって成功したのですか。
社長
私たちの会社はハイブリッド型の広告会社と打ち出していまして、何かというと、クリエイティブの波に乗るサーファー(スタッフを私たちはサーファーと呼んでいます)が100人以上いますが、内訳は正社員が43人、所属契約をしていただいているフリーランスのクリエイターの方が70人なのです。スタッフが足りないというのも正社員の話で、最初のウェブの仕事の時は、所属クリエイターの方々でチームをつくって動かしました。
田中
優秀なクリエイターの方が集まるものですか。
社長
そうですね、みなさんお一人でやっていける方ばかりですから。ただ、制作技術はあるのですが、営業と制作進行が苦手という方も多いので、営業と制作進行を私たちがお手伝いしてクリエイターの方は腕のほうを思いっきり発揮していただくという体制です。
田中
シェアオフィスにもその方々が入られるのですか。
社長
打ち合わせや急な仕事の場合でもお互いに便利なので、そういう目的もあってシェアオフィスにしています。将来的にはこの方向を進めて、クリエイティブの全てが入ったビルをつくりたいという計画もあります。地下には撮影スタジオがあり、1階には吹き抜けのオープンカフェがあり、映像編集、音楽録音、ムービー、グラフィック、ウェブ、PR・イベント、クリエイター専用のレンタルオフィス、屋上はハンモックカフェとビアガーデンまで、そこにクリエイターの夢が全部あるというビルをつくりたいと思っています。今回のオフィスはそのテストケースでもあります。
田中
壮大な計画ですね。
社長
私たちのミッションは、「ナンバーワン・オンリーワン」。一番を目指すか、自分たちにしかできないことを、ということを一番意識しています。ノースショアというのは世界一大きな波が起きる場所なので、自分たちも世界一になれるものや、世界で唯一のものを生み出していく、そういう人や物や考え方になろうと考えています。その過程の中にクリエイタービルの計画もあります。
田中
ゆくゆくは上場などもお考えですか。
社長
上場は会社が資金調達などでどうしても避けては通れないことになれば選択肢として考えますが、いわゆるバイアウトのようなビジネス上のゴールは設定していません。漠然とグローバルカンパニーとして、売上1兆円の会社になりたいとは考えていますね。